2016年8月 のアーカイブ

ドイツ視察〜フライブルク・まとめ編〜

2016年8月1日 月曜日

記憶が薄れないうちに、ドイツ視察の最終編をアップしたいと思います。

最後にやってきたのは、ドイツの南西に位置している
バーデン=ヴュルテンベルク州の郡独立市「フライブルク」です。
正式には「フライブルク・イム・ブライスガウ」というそうです。

スイスやフランスの近くにあるせいか、街並みもそんな雰囲気でした。
(またもや気になる小径)

フライブルグ_街並み

朝なので、人もまばらでした。
ここはドイツの地方都市なので、他の大都市に比べ
平和な雰囲気でした。

フライブルグ_マルシェ

泊まった宿の近くには、フライブルク大聖堂という古い教会もありました。
夜は少しライトアップされて、街並みも相まって中世のヨーロッパのような
雰囲気になります。
そんな大聖堂の前の広場では、その日はマルシェが開催されていました。
(確か、水曜日がマルシェの日と聞いた気がします)
写真上段は朝で準備中の様子。
写真下段は賑わう昼間のマルシェ。

泊まった宿周辺は、デパートのような、ショッピングモールもたくさんあり、
その他のお店もたくさんあったのですが、水曜日のこの日は老若男女たくさんの人が
ショッピングを楽しんでいました。
日本でも地方の地域で、若者たちが「まちに行こうぜ!」と
その地域の栄えている場所に行くように、フライブルクでは
皆このあたりのエリアに集うようです。(ガイドさん談)

フライブルグ_ソーセージ屋

ドイツで有名なソーセージもマルシェではこのように
売られていました。
日本のお祭りの露店のようにテントでの出店もありましたが、
移動販売用のトラックも多く見られました。

フライブルグ住宅3棟

今回のドイツ視察旅行でのメインである、
フライブルク市の再生可能エネルギーの利用と都市計画のツアーですが、
現地在住の方に環境都市として有名なヴォーバン地区を
1日かけてじっくり案内していただきました。

ドイツでは新築物件を建てるのに、すごくお金がかかるそうです。
(建物を投資と考え、投資に値するつくりをしているため、
安普請の住宅を建てることはほぼないそうです)

ヴォーバン地区では、既存のアパートやマンションといったストックを
リノベーションすることで、環境に負荷をかけず、
また新築ほどお金をかけずに人々が快適に暮らせるようにしています。
上の写真の建物は、リノベーションされた市営住宅です。
3棟がバラバラのデザインなのは、それぞれ別の会社が手がけているのと
3棟とも別のアプローチで建てられたからということでした。

地域暖房の蓄熱タンク

上の写真はコージェネレーションシステム(熱併給発電)の施設です。
3万5000世帯のエネルギーを供給しているそうです。

ヴォーバン地区の豊かな緑

ヴォーバン地区はとても緑が多いです。
フライブルク市自体が「森林オタク」らしいのですが、
大きな木を1本切ろうとすると、市民からクレームが
殺到するらしいです。
もともとある樹木などの自然を中心に、建物の建築を計画したそうな。。

ヴォーバン地区のカラフルな住宅

ヴォーバン地区のカラフルな住宅。
ヴォーバン地区にも住宅形式は色々あるのですが、
コーポラティブ住宅が多い印象でした。
コーポラティブ住宅は、エネルギーを効率化するため
住人たちは協同組合をつくり、そこで協議をして
だいたい3階建てくらいの共同住宅を建てるそうです。

世帯の収入はそこまで多くないそうですが、
緑が多いせいか、ゆったりした時間が流れているように感じました。
ヴォーバンが自然豊かなのは、子育て世代の家族が多く住んでおり、
良い環境で子育てしたいということで、自然が多く
緑が豊かな環境を保つようにしているということもあります。

自転車置き場?

住宅の前にあった自転車置き場のようなもの。
ヴォーバンは環境のために、車の所有率を抑え、
カーシェアリングと自転車、路面電車のトラムやバスなどの
公共交通機関の使用を推奨しているそうです。
実際、トラム等もかなり頻繁に来ますし、
住宅から離れた場所にある共同駐車場に車を取りに行くよりも
便利なので、人々は公共の交通か自転車で移動しています。

ヴォーバン地区のトラム

上の写真がトラムです。

トラムの線路は芝生

トラムは平日は夜12時まで、土日は24時間運行しているため、
線路も芝生で覆って音対策をしています。

屋上緑化が義務の平屋根

平屋根の建物は、屋上緑化が義務化されています。

ヴォーバン地区のソーラー屋根の住宅

こちらはソーラー屋根の住宅。
少し前のブームだったそうですが、カラフルな建物が多いです。
ゆったりしているように感じるヴォーバンですが、人口密度は
東京の人口密度に匹敵するそうです。

太陽光パネル屋根

ソーラー屋根が遮光の役割をしています。
最近は、ソーラーパネルが目立たないように
うまく建物に組み込まれている建築がトレンドとのこと。

雨水の通り道

住宅地の路上で見かけた雨水の通り道。
集合住宅の多くは、屋上で一旦保水され、雨どいをつたい、
地下で雨水が吸収されているそうです。
それでも吸収しきれなかった雨水は川に徐々に流れ出るシステムに
なっているそうです。

長文になってしまいましたが、思わずへ〜!と感心してしまう
ことの連続でした。

日本でも同じことができるかというと
環境の違いで難しいところもあると思うので、
うまく参考にしつつ、取り入れていければいいなぁと思いました。

ドイツ視察が充実していたので、ブログも長くなってしまいました。
ヴォーバン地区のことはネットや書籍でも詳しく解説が載っているので
興味のある方はチェックしてみてください!